“野菜を食べる” をデザインする。#事例紹介 #002

“Veggie Hack”

 

子供が野菜を食べてくれない…というのは育児中であればだれでも抱える悩みです。

健康づくりといえば運動を想像しがちですが、何を体に入れるかというのも非常に大事ですよね。

野菜を食べてほしいけど全然食べてくれなくて困るなあ…という問題を楽しく解決してしまった事例を今回はご紹介します。

 

アルゼンチンのスーパーマーケットチェーンであるVea Supermarketsはこの野菜を食べてくれないという問題を、ある別の「問題」と掛け合わせました。

 

それは子供たちが「なんでも口に入れてしまう」という「問題」です。

子供たちは成長過程において、遊んでいるときもそうでないときも、身の回りのものをなんでも口に入れてしまいがちです。

これは彼らが世界を認識するためにやっていることで、認知能力の発達には非常に重要なプロセスなのですが、安全面を考えると少し心配になってしまうことでもあります。

 

この少し困った行動を健康行動に変えてしまったのが今回ご紹介するVeggie Hackです。

 

お皿の上の野菜には目もくれないのに、身の回りのスマートフォンや車のカギは口に入れたがる子供たち。

この行動を逆手に取り、Vea Supermarketsはカギやスマートフォンをかたどった野菜を売り出したのです。


紹介動画では、何気なく車のカギ型の野菜が机の上に置かれ、子供たちはまんまとそのままカギを口にいれてしまいました。

 

 

この事例で見ていくと、健康課題とターゲットは以下のように整理できます。

 

健康課題:子供が野菜を食べてくれない

ターゲット:幼児

 

そして彼らにとっての障壁は、野菜を食べるのが好きではないということ。

そこで必要となってくるのが行動喚起のデザインです。

 

今回でいえば、もう一つの課題「なんでも口にいれてしまう」というものと掛け合わせた、口に入れたいものをかたどるという部分です。

 

ついやってみたくなってしまうというレベルを超え、すでにある欲求に寄り添って設計されていて、行動を非常に喚起しやすく(=子供たちが野菜をたべやすく)なっています。

 

野菜=食べたくない という気持ちから離れ、

口に入れてみたい!という欲求の導線に野菜を置いてみたこの事例。

 

「野菜は何も食卓で食べなければいけない」というわけではない!という大胆な発想と、

子供たちの成長過程の欲求にやさしく寄り添った素敵な仕掛けのあるデザインではないでしょうか。

 

最後に

Vea Supermarketsによって行われているこのプロジェクト。
スーパーの一次情報を探しましたが、見つけることができなかったため、この企画を作った会社の紹介URLをご紹介します。
ぜひ一度、下記のURLをご覧になって見てください。

※本記事は、HP等の開示情報を閲覧し執筆者が独自に考察したものです。

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