【連載 Ⅰ 】”企画”するということ#002

【連載】「企画する」ということ #002

「ターゲットを理解する」 Vol.1 インサイトって何?

三行で言うと?

  ①“ターゲット”とは
  ②ターゲットの“インサイト(価値観や嗜好)を知ることが第一歩
  ③ターゲットを知ることはとても大切な(価値のある)こと

 

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皆さん、はじめまして。コミュニケーションデザイナーのA子です!

始まりました連載「企画するということ」。

この“企画をする”という活動においてまずはじめに着手することとなる《ターゲットを理解する》に対する考え方について、これまで様々な企業の商品やサービスのマーケティング戦略を作り、コミュニケーションデザインを専門にしてきました、わたくしA子がご紹介させていただきます。

この《ターゲットを理解する》では、全4回にわたって、私たち健康実務家の活動にとってもっとも大切であるといっても過言ではない「相手を知る」というアプローチについて、みなさんと一緒に考えていけたらと思います。

 

ターゲットとは

 

まずはじめに質問です!

みなさんは、“ターゲットを理解する” ってどういうイメージを持ちますか?

それぞれいろいろなイメージを持っていただいているかと思います。

 

そもそもターゲットって何でしょうか?

例えば、ここに一つのチョコレートがあったとします。

このチョコレートの魅力は、「甘いこと」「一口サイズなこと」「溶けにくくて手につかないこと」。

この3つの魅力があったとして、みなさんは誰に買ってもらいたいと思いますか?

 

甘いからお子さんに?一口サイズだからおばあちゃんに?はたまた、溶けにくくて手につかないから通勤途中の女性に?

色々な相手が想像できるのではないでしょうか?

 

このように、誰を思い浮かべるかによって、商品やサービスのどういった点をアピールすればいいか変わってくるのが、お分かりいただけると思います。

 

つまり“ターゲット”とは、商品やサービスのどこを謳っていきたいかによって、違ってくるものなのです。

 

 

ターゲットのインサイト”(価値観や嗜好)を知ることが第一歩

 

それでは、ターゲットを理解することとはどういうことなのかを考えてみたいと思います。

 

通常、マーケティングの世界では、性別や年齢といった、分かりやすい属性によってターゲットを切り分けます。厳密に言えば、このターゲットを分類した固まりをセグメンテーションと呼んでいるわけですが、特に最近の世の中では、性別と年齢が同じだからと言って、同じ嗜好を持っている訳はありません。

 

たとえばですが、谷亮子さんと米倉涼子さんは現在44歳で同い年です。性・年齢で区切ると、お二人は同じ属性に入ります。

でも、彼女たちの趣味・日々の過ごし方・価値観など、同じだと思いますか?

 

たまたま有名人ということで、先ほどのお二人を例に出しましたが、今の世の中では趣味嗜好や価値観が多様化して、「40代女性」という一括りでは語れなくなっているのです!

ですから、ターゲットを理解するためには、それぞれの人たちの固有の趣味嗜好や価値観を探り、どうしたらその人たちの「〇〇したい」という欲求を喚起できるか、そこを考えていく必要があるわけです。

 

そのことをわたしたちは “インサイト(insight)” と呼んでいます。

インサイトとは直訳すると、洞察・直感・発見といった意味ですが、要はターゲットの心を洞察することであり、ターゲットの意識や行動を掘り下げ、背景にある、それこそターゲット本人さえ気づいていない価値観を見抜くことと言えます。

 

「本人さえ気づいていない価値観なんて、本当に見抜けるの?」と思われるかもしれません。

けれど、それを見抜かれているからこそ、みなさん(私も含めて)は、新商品を買い、新しいサービスを欲するのです。

 

ターゲットを知ることはとても大切な(価値のある)こと

 

話は変わりますが、みなさんは「大人の休日」というJR東日本の旅商品をご存知でしょうか?吉永小百合さんを起用した広告で有名な商品です。

あの商品は、実はもともと60代以上のシニアに向けたものでした。

リタイアしたシニアは毎日がお休みで、休んでいること自体に肩身が狭い思いをしている、そんな洞察をもとに、敢えてシニアを「大人」と言い換えることで、リタイアした生活をカッコいい、洗練したものとして印象づけたのです。

今でこそ、「大人」を謳った商品は数多く出ていますが、その先鞭をつけたのが、2001年に始まった「大人の休日」でした。

 

前半で私は、すでに性・年齢では語れないと言っていたのに、出した例がシニアになってしまい、混乱させてしまったかもしれませんね。

2001年当時の事例ということで、お許し頂ければと思います。

 

「大人の休日」は、あくまで一例です。ターゲットであるシニアの意識の奥底にある価値観を見抜き、その価値観をポジティブに変換させることで成功した事例です。このように、ターゲットのインサイトを知ることは、非常に重要なことなのです。

 

まず、ターゲットのインサイトを知ることにより、課題が把握できます。それによって、目指したい未来に向けての方策を考えることができるのです。

PDFファイル(22KB)

 

次の回では、もう少し具体的に事例を交えながら、「インサイトの探り方」についてお話ししたいと思います。

人の心の奥底にある無意識の価値観を、どうやったらあぶり出せるのか!?

ここがコミュニケーションデザイナーの腕の見せ所です!

 

それでは、次回をお楽しみに!

以上、A子がお送りしました。

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